2013年7月29日月曜日

夜を運ぶ太陽は

きれいな夕焼けだった
でもそれも一瞬だった
いつもきれいなものは一瞬
だからこそ
美しいのかもしれません
花も同じ
特に夏は長くもたないけど
それでも花は
これでもかってくらい
美しく咲いてくれます

花も出会い
まるで夕焼けの出会いのようです
次回の仕入れは水曜日
おたのしみに


おわりかけの夕焼けを
うつしたら
はりめぐらされた電線が
空を網目状に隠す

大学生のとき
空とこの電線の写真をとりまくって
つなげて
電線の地図を作った

それどうすんの?
それがどうしたん?
ってな話ですけど
すごくおもしろかったのを
おぼえてます

一見、意味ないことや
一瞬の出会いたちが
今のわたしを
作っているなら
これからも
探そう
出会おう

2013年7月28日日曜日

お知らせ

夏休みをいただきます
下記の通り
お店はお休みとさせていただきます

8月5日月曜日〜8日木曜日

なおそれにともない
今週、夏休みセールいたします!
いつやるかは随時
TwitterやFacebook、インスタなどなどでチェックしてくださいね

天気と入荷状況みてやります!
随時チェックお忘れなく!
いきなりやるかも!



2013年7月27日土曜日

僕の名前

僕は声が出ない
前の飼い主は
ブリーダー
僕は繁殖犬だったから
そのマンションの一室にいた子たちは
みんな声帯を切られたんだ
ご飯もろくに与えられず
骨と皮だけだった
歯も乳歯がたくさん残り
真っ黒になってしまってた

僕の体には
疾患があって
きっと遺伝するといけないから
売れない仔を産んでも困るからだろうから
僕は繁殖犬としては使えず
譲渡会に出された
つまり
僕は捨てられた

人間の都合で
犬は増やされ
捨てられる

お金で犬を買う前に
捨てられる命があることを
知ってほしい
殺処分を待ってる子もいるんだ
なんで
産まれてきたんだろうって
思うよね


いま僕は
花屋でたくさんの人に
声をかけてもらってる
抱っこしてもらったら
僕は時々気持ちよくて
その人の腕で寝てしまうんだ

人間も
悪くないかもしれない
みんなとっても優しいんだ

花と緑と
冷たいタイルの上が
僕のお気に入りの場所さ

さ。
今日はどんな出会いがあるかなぁ


思い出せないこと 思い出になるとき

わたしの花との出会いは
記憶がない
音楽をやっていたので
コンサートや発表会となると
我が家には
花屋並みに花があふれ
花のにおいが
家中にあふれる

だから今も
香りが強い花が集まると
実家を思い出す

五感の中で
鼻が1番敏感だと聞いたことがある
においを嗅ぐ
だけじゃなくて
思い出さなかったこと
思い出させたり

わたしは
その花の中でも
ユリのにおいが
ぴりっとする

ピアノの先生のうちに
いつもあって
玄関入ると
ユリの香りにまず包まれる
幼稚園とか
小学生のときの話なのに
今だに
ピアノが苦手だったことを
思い出す



お客さんが
よく紫陽花を見たら色々思い出すわぁ
とおっしゃる方がいて
いつもぼんやり紫陽花の前で立ち止まっている

人にはそれぞれ
重なる記憶がある

花は
やはり
いつも誰かの人生に
寄り添っているんだ




2013年7月25日木曜日

傘と花

さなぎを
脱皮して
蝶になる

蝶もそうして
さなぎと
サヨナラをし
出会いを迎える

サヨナラも
まぁ悪くないのかもしれません

いつも帰り道に寄ってくれた小学生が
もうすぐ引っ越すことになりました
最後に遊びにくると
約束をしていた昨日
小さな花器で
アレンジを作らせてあげようと
待つことにしました

2人はとても喜んで
すごい早さで花を選んで
すごい早さで作り上げました

1人の彼女は
小花から

1人の彼女は
大きなバラから

二人とも同じ花を持っても
違うお花ができあがりました

楽しい楽しい!
もう一個つくりたい!
と。

好きなようにさしてやってみ
と、なんにも教えなかったのに
子どもって
頭がやわらかい

また来るね
と何度も言って
2人の小さな傘が
大事そうに花を守りながら
ゆらゆら歩く
手がいっぱいなのに
手をふって
またくるねー!
と高い声がひびく

いってらっしゃい
またきてね




2013年7月23日火曜日

オリーブの吐息

無謀

そんな言葉がよく似合う

巨大オリーブの嫁入りが決まった
天気予報とにらめっこして
植える日を決める
でも自然って
そんな予定通りにはいかない
急に気温が下がった雨上がりの朝
明日だ!

というわけで
夜中に泥棒のように巨木を
うめきながら運び
朝に植え込み


シャベルで
落とし穴のような穴を
掘っていく
何回か入れては戻し
調整し
さ、ここでと土を
かぶせた
まるでふかふかの布団に
入ったかのような
オリーブが安心したように
見えた

お客さんは
もちろん無謀を承知の上
根付いてね
と二人で祈った


朝日にきらきらして
ゆらめく葉っぱ
まるで昔からここにあったみたい

暑い夏はこれから。
夕立や台風に負けず
根をのばしていきますように






オリーブの足音

真夏の
かっんかん照りの日に
木を地植えすることが
あまりよくないこと
少しガーデニングをした人なら
容易にわかること
ましてや
花屋のわたしは
怖いとすら
思う

けど
出会ってしまった

大きな
大きな2.5メートルはあろう
枝ぶりもすごいオリーブの木

な。

最初に見つけたとき
この一文字しか
言葉が出なかった

えーー!

しかも
これほどの高さ大きさなら
安くても五万はするしろもの
なのに半額以下という格安
わたしはすぐに
卸屋のおじちゃんに詰め寄った
なんでこんなに安いのか
そしたら
名前がないからだよ
と言われた
確かに品種の名前がない
そして
やはり

それにこんな真夏に
根付くかわからない危険性があるからね

とひとこと。
確かに。

なあなあ
連れて帰ってや
なあなあ
オリーブの声が聞こえる
何回も葉っぱを触る

あんたこの暑さいけるか?


うーーーーーーーーん

悩む
オリーブの前を行ったり来たりするわたしに
見かねておじちゃんは
予約札貼っててあげるから
またこんんど来たときに決めな
と言ってくれた


こんだけ悩んだのに
後日何も悩まず
あっさり連れて帰った

おいでおいで


でもこの子はかなり重かった
車には乗せられず
おじちゃんに乗せてもらった

店について
車からおろすのも一苦労
ぬおおおおおおおおおおおお
ものすごい声を一人で出して
車からおろす
重すぎる
しかしまだ店の前の置けそうなとこまで
あと数歩・・・
ぬおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお


一生分の太い声を出して
なんとか店の前におく

やばい
ほんと
きれい
おもい

もうちょっとがんばってや
と葉っぱを触る


さ。
オリーブの夏の行方
いかに


2013年7月18日木曜日

両手いっぱいの

ちょっと涼しいかなと思ったけど
やっぱり暑い
お店に並ぶ苗もカラカラで
急いで水をあげる

そしたら
吸い寄せられるように
斜めによたよたと
1年生ぐらいの男の子が
わたしのところにきた

わ。大丈夫?
と言うと

そのまま斜めになりながら
下を向いたまま

うん
ぼくね
もうすぐね
なつやすみだからね
にもついっぱいもってかえらないと
だめなんだけど
なんでこんなに
おもいんんだろう


話しながら
斜めになりながら
行ってしまった

気をつけや〜!
と大声で言ったら

うん
にじゅうにちから
やすみなんだ!

と、遠くから返事をして手をふってくれた


たくさんの荷物は
あなたを作り上げてきた
大切な思い出

夏は
花や緑の成長期
水、風、光
厳しい季節だけど
すべてが
花や緑を作り上げるもの
どれが欠けても成り立たない

わたしを
つくりあげるすべてのもの
あしたもどうぞよろしくね

2013年7月16日火曜日

なにいろ

何色が好きなんですか?

よく聞かれる

それが一番困る質問
なぜなら本当に
全部好きだから

今日も
小学生たちが
帰り道に立ち寄った
また花の感想を言っていく

その中に
私が好きな
ピンクでもオレンジでも赤でもない
くすんだ色の花を指さした

お。なんて言うのかな?
と思っていたら


わ!何この花!
くちびる色!

と言った
なんとまあ
くちびる!!!

子どもじゃなかった大人はいないのに
もう子どもの目線には戻れない

子どもが
一番なんでも知っているのかもしれない




日々の泡

今日も 
あいまを見て
天気を見て
お客さんのお家の水やり

土が水を吸い上げる音
風が木や花をすり抜ける音
太陽のじりじりする音
そんな音を聞きながら
水をまくのが好きだ

みんな生きてるんだな

2013年7月14日日曜日

本能

朝七時
暑くなる前に
と、とあるアンティークショップの植え込みにいく

最近オープンした隠れ家のような
アンティークショップ
アージェアンティークス
中に入ると
時間も
時代も
場所も
どこにいるのか忘れるほど
素敵なお店

ここには白の花しか
植えないと
決めてらっしゃるようで
色んな白の苗が
いつ僕ら土に入れるのかなあ
と言わんばかりに並んでる

マンション生活が長かった私にとって
久しぶりの地面
うれしい
スコップじゃ足りなくて
シャベルで地面を掘る

自称非力だと思っていたけど
どうやら力があるようで
みるみる大きな穴を堀った
オーナーさんが
すごい才能!
と絶賛するほど
シャベルの使い方がうまい
らしい

土のにおいが
なつかしい記憶を一気に呼び覚ます


実家の庭には
四季折々に花や実がなり
そこにつく虫だって
自然に覚えた
その世話をしていたのはおじいちゃんで
いわゆる雑草と呼ばれるものの名前も全部知っていた

春には桜が咲き
チューリップの前で記念撮影
初夏には梅がなり
夏にはボールいっぱい
ゆすら梅を食べる
秋にはしぶい柿がなり
冬にイチョウの葉がおちてゆくのを眺める

何気ない
季節の声が
一人暮らしのマンションでは
なかなか聞こえなかった

もっともっと
間近で花や緑を見たくて
花屋のドアをたたいた



今日は夜も
観葉植物の植え替えに行った
爪が真っ黒で
気分がいい

わたしたちは
きっと土にかえっていくんだ

左手にさっそくマメが出来た
この夏
あと何個マメができるだろう




ボン

もう二度と会えないけど
会いたい人が
いるだろうか


今日は七月のお盆
入りの日でした
わたしは大阪人なので
こちらにきて
七月にお盆があるのを初めて知りました


お盆って
ご先祖さまをお迎えする日
こっちですよって
火を焚いて待つ



朝、仏花を作るとき
いったんありふれた組み合わせを手にしてみた

ありふれた組み合わせは
手が勝手に覚えている
けどなんか違う気がして
やめた

いらっしゃるかわからないけど
みなさんのお顔を思い出し
あの方だったら
何を選ぶかな
とか考えながら
作ることにしました

お花が大好きだったおばあちゃんに
支えてくれたご主人のために
大好きだったおかあさんのために
自分より先にいった娘のために
・・・・

お盆を
きっといろんな気持ちで
いろんな方が迎える
そっと
お花を
と思っています







2013年7月13日土曜日

夏の花嫁

むかし
よく行った沖縄で見たブーゲンビリア

南国の花は
大きくて濃い色のイメージがある
けど
ブーゲンビリアは
わりと小さい花たちが
わーっと咲く
沖縄のそこらへんで咲いていて
よく車を止めて
写真をとった
十年以上たつけど
今でもそのときのブーゲンの押し花もある

今日
市場で
オリジナルで作ってもらったという
真っ白な
おっきい株の
ブーゲンビリアを
手に入れた
限定10鉢の中のひとつ
決して安くはない値段だけど
見たことのない仕立てに
とっても感動した

店について
暑かった車から早速だしてあげた
あまりにも長いので
地面には置けず
いすに座っててもらう
まるで花嫁さんのような
たたずまいに
うっとり

とってもきれい
もちろん
どこかのおうちに
早く嫁入りしてほしいけど
ずっとここにいてほしいような
矛盾・・

どうぞ
うちの花嫁さん
見に来てください

太陽に向かって
ただひたむきに咲く花




2013年7月11日木曜日

帰り道の冒険

今日の太陽
なんの容赦もなく
サンサンと降り注ぐ

あつい

何回言ったかな

いつも
小学校の帰り道に
寄り道してくれる二年生の2人組
今日も何気にやってくる
いつもお客さんのいない時間に来てくれるから
あたしは
いつも喜ぶ

入り口で立ち止まって
挨拶をして中に入る
こんにちわ
とかじゃない
あたしたちの挨拶は
決まって

ヤッホー

だ。

ヤッホー
ヤッホー
そう言ってから必ず店に入る

店の一通りの花の感想を言って
昨日より開いただの
位置が変わっただの
キャーキャー言う

そしてあたしは
また明日も来てくれる?
と聞く
そしたら
ごめんね明日は避難訓練なの!
その次はバレエ!

そうか子供も忙しいんだね

そしてこないだは
ディズニーのお土産をもらった
その次は
手作りのミサンガくれた
彼女たちはいつも
あたしがちょっと元気ないときに
そうやって
何かをプレゼントしてくれる
絶妙なタイミングで


そんな
仲良くなったころ
お話があります
といわれ

どないしたん?

と聞くと


夏休みで引っ越すことになりました!
って。
えーーーーーーー

しかもあたしの実家のすぐ近く
それにも
えーーーーーー

だけど
彼女は
おばあちゃんに会えるから
うれしい
だけど
寂しい
だけど
うれしい
寂しい
そう繰り返し何度も言ってた

夏は
少し別れの季節

彼女が気に入ったシャクヤク
大きくなっても
思い出してくれるかな




2013年7月10日水曜日

サン デイ!

朝5時
国道246号線
渋谷方面に向かうのぼり車線
目の前に
真っ赤な朝焼け
今日はやけに赤い

今日も暑したるで〜
と言わんばかりの
めらめら太陽
今日はやけに赤い

市場について
車をおりると
もう暑い

インドの朝を思い出す

彼らは暑くなる前に
早起きをして
勉強したり
お祈りしたり
なんせ忙しい朝だった

そんなインド人ばりに
早起きをして
仕入れにいくことを
時々
大変ね。でも一日が長くていいわね。
といわれる。
でも。とんでもなく
一日は短い。

今日も
気づけば
夜八時だった

太陽をいつも
おいかけているようだ

今日の朝焼けのせいか
市場で赤の花ばかり集めた
きれいな赤のプロティアに会った
花は出会いだと思う
少し触ってすぐに手にとった
なんとなく
もう会えないような気がしたからだ


きっと夏は
一瞬なんだろう
明日も太陽さん
お手柔らかに






2013年7月9日火曜日

ワンマンス

昨日
開店して一ヶ月がたちました

駆け抜けた一ヶ月は
休みもなかったけど
花と緑にうもれ
追いかけ続けた日々でした

開店前の4ヶ月間で
考え続けた店の名前は何十にものぼり
結局
最初に考えた名前にしました

空の箱


どんなお家も
どんなお部屋も
どんなお庭も
最初は空箱のよう
そこに
大切なものや大好きなものを
つめこんんでゆく
そして
家が庭が育ってゆく

そこに花が、グリーンがあるしあわせ

大きな幸せって
小さな幸せのつみかさね

みんなが
しあわせで
ありますように



そして
毎日同じ空がないように
お花も毎日違う

明日の花にも
出会ってください