2013年9月27日金曜日

きもち

百歳近いおばあちゃんが亡くなったからと、急いでお花束を作った

大往生だから
いいじゃない

わたしのおばあちゃんも九十を越えていたので、よくそう言われた
けど
何歳で亡くなっても
悲しいし
寂しい

お花束を作りながら
その方は

だからね
いつも伝えないといけないことは
言っておかないとダメやね
と言われました

おばあちゃんはよく言ってくれてた

わたしは幸せやった
あ〜幸せやった!

そう言われても

何言うてんの
まだまだこれからも元気に
楽しいこといっぱいせな

みたいなことしか返せず

結局おばあちゃんは
ロウソクの火がふっときえたように
いってしまった


そのお客さんは
こないだ老ネコも看取り
最後に弱り果てたネコにずっと

あなたがここに来てくれて
私たちは幸せやったよ
ありがとうね

そう、ずっと言って撫でていたそうです


伝えること
出来てるかな

ありがとうって
言えてるかな


いろんな気持ちを伝えるとき
花を渡すことが多いとおもいます
感謝
お礼
お祝い
お悔やみ
プロポーズ!


千円だって
一万円だって
気持ちは、気持ち

気持ちを贈るお手伝いができるなんて
ほんとにしあわせ。

明日もたくさんの気持ちが
運ばれていきますように






2013年9月21日土曜日

はじまりの季節

お彼岸が始まりました。

もう早朝5時ともなると
かなり寒く
昼間の暑さのノリで裸足で出た日には
震えながら運転しています

早朝の空
すっかり秋
ライトをつけないといけないくらいの暗さがやってきました

あの壮絶な暑さが終わるんだと思うと
安堵感と寂しい気持ちと
秋は色んな気持ちにさせてくれます

『秋は全ての季節を作り出す過程』
ある詩人がそううたったように
秋は葉が散り
終わっていくのではなく
全ての始まりなんだと
思います


さ、
冬支度ですね



2013年9月16日月曜日

敬老の日

おばあちゃん
百歳まで
いや、不死身なのかもしれない
と思ったけど
夏の暑い日
ろうそくの火がふっと
消えるように
ふっと眠るようにいってしまいました


敬老の日が来るたび
いつも
もっと感謝を伝えておけば良かったと
思っています


店にきてくださるおばあちゃんおじいちゃん。いつまでもお元気でいてくださいね。


2013年9月13日金曜日

おんなのこものがたり

小学生って苦手だなぁと
思っていた頃があった

子供なのに
わたしは大人だ!
と思っているところとか

あ、女の子の話しですね。

でも
最近は違う。

最初はモジっとしてるけど
目を合わせて
ニコっとした瞬間から
彼女たちのドアがあく
それは
大人では体感できない、あの
子ども特有のすぐ友達になる感覚と
似ていて
ニコっとするのが
どこか懐かしい

女の子は
モジモジと
でも、さっさと店内に入ってくる
こんにちわ。
一言交わす。
じーっと花をだいたい一望するのを
横目でちらちら

ニコっのタイミングは
逃してはいけない。
でも、じっと見てはいけない。

花を一望したあと
こっちを向いた瞬間が
その時。


ニコ。


プレゼント?
そう聞くと、子どもたちはいきなり
話しだす。

うん、おかあさんが誕生日なんだけどね、明日わたしたいの。ピンクかなぁ。でもねヒマワリもいいよ!今日はね、貯めたお金二千円もってきたから!

と、嬉しそうに財布を見せてくる。

めっちゃかわいい財布やん。
めっちゃかわいいカバンやん。
嘘はあかん。
かわいいねと思ったものはちゃんと伝える。

うん、これはね、これはね…
女の子は全く話がつかないし
もう昔からの友達みたいで
笑いもこみあげてくる

そんな雑談しながら
マトリカリアの小さな小花を入れて花束を作り始めた
たいてい、これを入れると可愛くなるアイテムのひとつ。
と、思っていたら
話しの途中でもつかさず

あ、それはいらない。

と、ご指摘。
オッケ〜、何がええ?
と、聞くと
ピンクのリンドウ。
うーん、合う!いい!
恐れ入りました!

子どもらしくとか
そんな勝手なイメージは
邪魔かもしれないと思った

彼女は
作るのが大好きで
ラッピングの紙も
貸して貸して
と、言うので
お母さんにだからね、自分でやったほうが喜ぶよと
紙を渡したら
薄紙できれいにまいて
外側に巻く
ワックスペーパーは
クシャクシャに丸めて広げて
包み出した
リボンかわりのラフィアは
割いて何本かにして三つ編みにしたり
とても器用だった

めっちゃいいやん!
と、言うと
大事そうに抱えて走って帰った

子供のうちから
『おくる』ことを覚えていくのは
素晴らしいこと
大切なことだなぁと
思う

何年か前に母の日に
おばあちゃんに連れて来られた
小学生の男の子がいた
おばあちゃんは
ちゃんと、感謝とかね
おくること教えてあげないとと
思って今日は一緒に来たんです
と言ってたのを思い出す
男の子は
なんのこっちゃ!
とゆう顔してたけど
この何気ないこのおばあちゃんの愛情も
きっと大人になった時
ふっと思い出すんだろうなと
その顔を見ながら
思った


おくることが
誰かの幸せにつながり
自分の幸せにもなる
明日もたくさん幸せが
つながりますように









2013年9月5日木曜日

オクリモノ

電話がなった

昨日配送出しの送り主のかただった

一瞬
クレームなのかと
息をのんだ

相手先の方が
生前、娘が好んでこの花を使って
よくアレンジをしていたそうで
本当に感激されて
お花屋さんに直接お礼が言いたいとのことで、私からしておきますと言ったの。かわいいお花ほんとにありがとうございました


クレームがくるのではという
頭の中で
言葉がひとつひとつスローモーションで聞こえただけに
ひとつひとつがとても響いた



最近
お命日用アレンジ注文がとても多い

当たり前だけど
1人1人にドラマがあり
そのドラマにまたたくさんの人が関わっている

そこに贈らせてもらえるお花
菊いれておけばいっか!
なんて、とんでもない

なるべくお客様からは
そのかたの雰囲気を聞くようにしています。
残されたご家族もそのお花をみて
思い出したり、笑ったり、泣いたり
そして、慰められるといいと思っています。

やっぱりお花は
たくさんの気持ちを託され
またたくさんの思い出を
よみがえらせてくれる

みなさんの中に
たくさんの花が咲きますように